ブラックバス (black bass) とは、スズキ目・サンフィッシュ科の淡水魚のうち、オオクチバス属 Micropterusに属する8種(11亜種)の魚の総称である。
原産地の北米では、五大湖周辺からミシシッピ川流域、メキシコ国境付近までの中部及び東部、フロリダ半島などに広く分布し、汽水域でも生息可能である。
日本ではオオクチバス・コクチバス・フロリダバスの3種が外来種として記録されており、このうちオオクチバス・コクチバスは特定外来生物に指定されている。特に日本での分布が広く個体数が多いオオクチバスを主に指す場合が多い。しばしばバスとも略される。かつてクロマスという和名で呼ばれたこともあるが、サケ科のマス類と混同されやすいためその呼称は現在では使用されていない。ブラックバスという呼称自体はもともとコクチバス(スモールマウスバス)の幼魚期の体色が黒いことから慣習的に呼ばれるようになった名称である。
食用にもするが、主にゲームフィッシングの対象魚として世界的に人気が高い。
ブラックバス (black bass)の種類
- ブラックバス(オオクチバス)
- スモールマウスバス(コクチバス)
- フロリダ・ラージマウスバス(フロリダバス)
- アラバマ・スポッテッドバス
- ウィチタ・スポッテッドバス
- クアトロシェネガス・バス
- グァダループバス(グアダルーペバス)
- ショウルバス
- スポッテッドバス
- スワニーバス
- ネオショー・スモールマウスバス
- レッドアイバス
- オザークバス
- シャドウバス
- ロックバス
- ロアノークバス
- ストライプドバス
- ホワイトバス
- イエローバス
- ホワイトパーチ
- オーストラリアンバス
- ピーコックバス
ブラックバス世界新記録
2009年7月2日、午前11:50頃に滋賀県琵琶湖で73.5cm、10.12kgのブラックバスを釣り上げられ、場所は琵琶湖大橋付近でブルーギルを使用したライブベイト(生餌)によるものです。
順位 | 重量/ポンド | アングラー | フィールド | 所在地 | 日付 |
1a | 22.3106 (10,120g) | 栗田学 | レイク・ビワ | 日本 | 2009/7/2 |
1b | 22.2500 (10,093g) | ジョージ・ペリー | モンゴメリーレイク | ジョージア | 1932/6/2 |
3 | 22.0100 (9,984g) | ロバート・J・クルピ | キャスティーク | カリフォルニア | 1991/3/12 |
4 | 21.7500 (9,866g) | マイケル・アルジョ | キャスティーク | カリフォルニア | 1991/3/5 |
5 | 21.6875 (9,838g) | ジェド・ディッカーソン | ディクソンレイク | カリフォルニア | 2003/5/31 |
6 | 21.2000 (9,616g) | レイモンド・D・イーズレイ | キャスティーク | カリフォルニア | 1980/3/4 |
7 | 21.0100 (9,530g) | ロバート・J・クルピ | キャスティーク | カリフォルニア | 1990/3/9 |
8 | 20.9375 (9,498g) | デビッド・ジマーリー | レイクミラマー | カリフォルニア | 1973/6/23 |
9 | 20.8600 (9,462g) | レオ・トレス | キャスティーク | カリフォルニア | 1990/2/4 |
10 | 20.7500 (9,412g) | マイク・ロング | ディクソンレイク | カリフォルニア | 2001/4/27 |
11 | 20.2500 (9,185g) | ジーン・デュプラス | レイクホッジス | カリフォルニア | 1985/5/30 |
12 | 20.1250 (9,131g) | フリッツ・フリーベル | ビッグフィッシュレイク | フロリダ | 1923/5/19 |
13 | 19.7000 (8,936g) | ジョージ・コニグリオ | ミッションヴィエジョ | カリフォルニア | 2006/3/21 |
14 | 19.5000 (8,845g) | マーク・バロイド | キャスティーク | カリフォルニア | 1990/5/28 |
14 | 19.5000 (8,845g) | ランディ・クラブトゥリー | カシータス | カリフォルニア | 2002/4/9 |
14 | 19.5000 (8,845g) | キース・ガンサウルス | レイクミラマー | カリフォルニア | 1988/2/29 |
17 | 19.4375 (8,818g) | マック・ウィークリー | ディクソンレイク | カリフォルニア | 2003/5/20 |
18 | 19.2500 (8,732g) | クリス・ブラント | レイクミラマー | カリフォルニア | 1998/3/22 |
19 | 19.1875 (8,704g) | スティーブ・ビースレイ | レイクウォルフォード | カリフォルニア | 1986/2/3 |
19 | 19.1875 (8,704g) | アーデン・C・ハンライン | レイクモレナ | カリフォルニア | 1987/2/17 |
21 | 19.1500 (8,686g) | サタン島田 | レイク・イケハラ | 日本 | 2003/4/22 |
22 | 19.0625 (8,646g) | サンドラ・W・デフレスコ | レイクミラマー | カリフォルニア | 1988/3/14 |
23 | 19.0400 (8,637g) | ダン・T・カドタ | キャスティーク | カリフォルニア | 1989/1/8 |
24 | 19.0313 (8,632g) | ラリー・キーンズ | サクセスレイク | カリフォルニア | 2001/1/27 |
25 | 19.0000 (8,618g) | リリー・ウィット | レイクターポン | フロリダ | 1961/6/26 |
情報元・バスマスターマガジン
日本のブラックバス歴史
- 1925年、実業家赤星鉄馬がアメリカのカリフォルニア州(Santa Roza)からオオクチバスを持ち帰り、箱根の芦ノ湖に放流したのが最初とされる(約90匹)。これは食用、釣り対象魚として養殖の容易な魚であることから政府の許可の下に行われた試みだった。但し、カリフォルニア州に自然分布しないことから、別な場所で採集された個体がカリフォルニア州を経由して移入されたものと考えられる。
- 1930年代、長崎県白雲池(1930年)、山梨県山中湖(1932年)、東京にある私邸の池(1933年)、群馬県田代湖(1935年)、兵庫県峯山貯水池(1936年)などへ試験的に放流
- 1936年、この時期までオオクチバスの分布は5県。
- 1945年~ 進駐軍(在日米軍)による部分拡散(相模湖・津久井湖など)。
- 1965年、芦ノ湖の漁業権を管理する神奈川県、ブラックバス(オオクチバス、コクチバスその他のオオクチバス属の魚をいう)およびその卵も含め、移植を禁止(神奈川県内水面漁業調整規則第30条の2)。
- 1970年代、魚食性が強いため、生態系(在来生物層)への影響およびこれによる漁業被害が問題視されるようになり、漁業調整規則で無許可放流が禁止されるようになったが、その後も人為的な放流により生息域を拡大。
- 1971年、千葉県東金市の雄蛇ヶ池に移植。
- 1972年、釣り具輸入業者のツネミ・新東亜グループによって米国ペンシルベニア州、ミネソタ州からバス(ラージマウスバス)稚魚が神奈川県芦ノ湖に移植。一部は関西方面に運ばれ、兵庫県東条湖、愛媛県石手川ダムなどに移植。
- 1974年、この時期までオオクチバスの分布は23都府県。琵琶湖でオオクチバス確認。愛媛県石手川ダムから面河ダムに移植。
- 1975年、兵庫県生野銀山湖に移植。茨城県でオオクチバス初確認(藤井川ダム湖)。霞ヶ浦、牛久沼でオオクチバス確認。
- 1976年、栃木県渡良瀬遊水池で、オオクチバス確認。奈良県池原ダム・和歌山県七色ダムでオオクチバスが釣れ始める。
- 1977年、千葉県印旛沼に移植
- 1979年、この時期までオオクチバスの分布は40府県(ブルーギルは9府県)。
- 1983年、北海道、青森、岩手を除く日本全国にオオクチバスが分布。分布は1988年までに計45都府県に達する。
- 1985年、賞金制のバスプロ・トーナメントが山梨県河口湖を中心に始まる。
- 1988年、4月17日、奈良県池原ダムにJLAA関西支部と下北山村役場がオオクチバス(ノーザンラージマウス)の亜種で、より巨大化するフロリダバスを放流。
- 1989年、山梨県河口湖漁協、オオクチバスを漁業権魚種に指定。
- 1991年、野尻湖(長野県)で、コクチバスを国内初確認。以後、分布を拡大。
- 1992年、水産庁、内水面漁業調整規則「移植の制限」部分改正、ブラックバスやブルーギルの生息域拡大防止を図る。
- 木崎湖・青木湖(長野県)、桧原湖・小野川湖・秋元湖(福島県)などでもコクチバス確認。
- 1995年、日光中禅寺湖でコクチバス確認。漁協、駆除に乗り出す。
- 1996年、この時期までコクチバスの分布は5府県10カ所。池原ダム(奈良県)でフロリダバス系統群による巨大バスブーム。
- 1998年、コクチバスの分布、14府県46カ所に拡大。
- 1999年、新潟県が釣った外来魚(オオクチバス、コクチバス、ブルーギルなど)のリリース(再放流)禁止に踏み切る。違反者は1年以内の懲役もしくは50万円以下の罰金。コクチバスのみの再放流禁止はあったが(山梨県)、オオクチバス、ブルーギルにまで適用したのは全国初。
- 2000年、北海道などごく一部を除き、全国ほとんどの都府県の漁業調整規則で「外来魚の密放流禁止」が進む
- 2002年6月、水産庁が「ブラックバス等外来魚問題に関する関係者の取り組みについて(「外来魚問題に関する懇談会」の中間報告)」をまとめる。
- 2003年4月、滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例にて再放流が条例により禁止(対象区域は琵琶湖ほか滋賀県下全域)
- 2004年、池原ダムのみに確認されていたフロリダバスを琵琶湖で初確認(サンプル採取は2000年以降のため、2000年には琵琶湖に存在していたことになる)
- 2005年6月、オオクチバス(フロリダバスを含む)、コクチバスが環境省によって特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律によって指定される。